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zoom RSS 「硫黄島からの手紙」を見ました

<<   作成日時 : 2007/01/24 11:55   >>

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「硫黄島からの手紙」を見ました。

わたしはあまり映画館には行きません。邦画を映画館で最後に見たのは高倉健の「ぽっぽや」だったでしょうか。ハリウッド映画も同じです。「タイタニック」は見ました。その後は「ラスト・サムライ」です。でも、中国映画は大抵見に行きます。語学の勉強のために。

さて、感想ですが、よくできたいい映画だと思いました。でも、わたしの感性は退化し、マヒしてしまっているのでしょうか。若い人たちが死んでいくのに、想像力が欠如していて、涙はなかなか出ませんでした。

画像


わたしがまず感心したことは映像がカラー映画であるのに、まるで白黒映画を見ているように、ぬけるような青空も青い海も抑えられているというこです。この話は60年も前の話なのですから、それにふさわしい色彩で、古い昔の写真を見るような映像処理をしたんだろうなあ、と技術には疎いわたしですが、そんなことを思いました。

それから、わたしが注目したのは栗林中将が自分の司令室のような場所に入ったとき、そこの黒板に「大東亜戦争要図」というのが貼られていたことです。

最近のわたしはひょんなことから、「中国の領土はどこまでか」、「チベットは前から中国領土だったか」とこのブログで書いたように、中国領土に興味がありました。戦前の日本地図で、中国領土がどのように描かれていたかを探していました。(このことについてはまた別記します。)


それにしても、どうしてアメリカ人がこのような日本人の問題を日本人に違和感なく、むしろ賛同できる映画を作ったのでしょうか。監督のイーストウッドさんは「ダーティー・ハリー」の刑事さんだそうですね。あの孤高ともいうべき使命感一筋に生きる男の姿、わたしは頭の下がる思いで、いつもたのしく見ていました。


ただわたしは栗林中将が優れた軍人であり、立派な人物であったとは思いますが、栗林中将だけを賛美する気持ちにはなれませんでした。どうも栗林中将や西大佐が善玉で、大杉少将や林少将は悪玉のような図式になっていたようで、ドラマを成り立たせるためにはやむを得ないのでしょうけど、大杉少将や林少将の遺族や関係者がもしいたなら、どう受け取るだろうかと余計なことも考えました。


わたしがいちばん泣かされそうになったのは、二宮和也君の演じる若い兵士が赤紙をもらい、別れの夜に身ごもっている妻のお腹に耳を当てながら、「ここだけの話だけど、お父ちゃんは必ず生きて帰ってくるからね」と語りかける場面でした。鈍感なわたしもつい涙が出そうになりました。

それから、あの兵士が危機にさらされるたびに、わたしは殺されないでほしいと思ってみていました。そしたら、その願いがかなったのでしょうか、最後の方で、アメリカ兵に取り囲まれ殴られたあと、アメリカの負傷兵にまじって担架に横たわっている場面があり、ほっとしました。



「一将功なって万骨枯る」という言葉があります。


多くの人間が集まるとき、それを統率するリーダーはどうしても必要です。そのリーダーはやはりだれよりもいちばん優れた人がならなければなりません。栗林中将はそうした優れリーダーだったに相違ありません。


ただわたしにはやっぱり理解できないのです。


アメリカに留学し、アメリカの政治や社会、経済や軍事力など熟知している人物が、日本はアメリカには到底かなわないと熟知している人物が、日本人であるということで、帝国軍人であるということで、殺し合いを長引かせ、相互に4万人をも越す戦死者を出す殺し合いをなぜ忠実に遂行したのかということです。二宮君だけは助けてあげたのに、それぞれが祖国に帰りを待つ人たちがいる4万もの人たちを、どうして一人でも多く国に帰してあげられなかったのか、ということです。

戦いを長引かせる理由として、ここで敵を一日でも長く引き止めておくことが、内地の家族の平和な生活を守ることになるという論法のようでしたが、そのような考えに陥ることがまた戦争の悲劇なのだと、この映画はいっているのでしょうか。


この映画を見て、憎むべきは敵は鬼畜米英とだれかが叫ばせたアメリカなんがではなく、「いまは非常時なのですよ」とヒステリックに叫ぶ日本愛国婦人会のたすきをかけた女性たち、それに若い憲兵が殺すのにしのびず助けたペットのイヌを平然と射殺して憲兵教育の手本を示すあの単純野郎、と思われました。


やっぱり国家と一体になって勇ましいことをいう輩は警戒すべし。そんな時代になったら大変だ。


腰抜けのわたしは、この映画を見てそのような感想をもったのですが、やっぱりわたしは異端分子なのでしょうか。



             (いつも高いところに登っていて、できるだけ威勢のいいオスネコには近づかない 臆病ネコ)


≪追記≫

Sankei Webに防衛大学校の五百旗頭真学長の「栗林中将は『重きつとめ』を果し得た 」という記事がありました。わたしには納得しがたいところがあるのですが、みなさんはいかがでしょうか。
http://www.sankei.co.jp/ronsetsu/seiron/070610/srn070610000.htm

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