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zoom RSS 凶悪犯罪多発の背景

<<   作成日時 : 2008/06/23 11:31   >>

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今まで気づかなかったのですが、秋葉原通り魔事件の起こる4日前の6月4日、産経新聞の【正論】で犯罪心理学者、聖学院大学客員教授の作田明さんが凶悪犯罪多発の3つの背景という論文を発表していました。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/080604/crm0806040235006-n1.htm


その背景とは優秀だが挫折も経験≫、≪小さなストレスに弱い≫、≪再チャレンジできずの3つです。

最初の優秀だが挫折も経験では、以下のような指摘をされています。

 犯人はほとんどが男性の単独犯である。若い人が多く、単身者であるか、家族と同居していてもあまり接触せずに孤立した生活を送っている人々が大多数である。
 ……。家庭環境については中流家庭出身者が多く、もともと貧困家庭に育った者は少ないと言ってよい。
 犯行者には無職の者が多いが、小、中学校の成績は必ずしも悪くないし、中には非常に優秀であった者も少なくない。高等教育を受けるようになるまでに挫折した体験の持ち主が多く、そのために不本意な就職をしたり、あるいはほとんど定職につけなかった者が少なくない。


次の≪小さなストレスに弱いについてはこうです。

 彼らの多くは比較的ふつう以上の知的資質を持って生まれ育っており、経済的にも困窮しているわけではなく、長男であるケースも多いから幼い頃から両親の期待を担って成長していることが多い。
 ところが、おそらくは思春期以降に家庭内、あるいは学校などにおいて様々なトラブルを抱えて悩むようになる。彼らは幼少期に両親から甘やかされて育った結果、脆弱(ぜいじゃく)な性格であることが多く、比較的小さなストレスでもそれを克服することが難しく、挫折しやすいのである。
 また、過去の成功体験から失敗・挫折によるトラウマはふつう以上に大きく、このために他者とのコミュニケーションを避けようとする。この中で本人の焦燥感は強まり、やがてはそうした自分のみじめな状態が他者によるものであると考えるようになる。こうした他罰的感情の高まりが、やがては社会や自分以外の人間に対する攻撃へと発展することになるわけである。
 ……。 もともと甘やかされ苦労を知らずに育てられた彼らは自己中心的であり、社会的孤立から情緒的交流への志向を失い、更には自らの境遇が不当に悲惨なものだと思い込むことにより人類に対する憎しみが強まっていくのである。


3つめの再チャレンジできずはこうです。

 こうした犯罪が、比較的近親者への比率が高いといわれる日本の殺人事件の中で近年目立ってきているのには様々な背景が考えられるだろう。
 一つは家族構造の変化である。核家族化、少子化は……戦後60年以上を経て数世代に及んで固定化しつつあり、こうした中で家庭が崩壊状態になると子供たちはいきなり社会に投げ出され、大きなストレスを受けることになる。日本では親族や地域社会などのサポートが弱いことも事態を必要以上に深刻化しやすいといえるだろう。
 もう一つは日本ではいったん失敗、挫折した人々が再チャレンジする機会が少なく、若くして絶望する人々をみすみす放置している傾向があるということである。
 第三に、これが実は最も重要な要素であろうが、現代の学校や家庭の状況がひ弱で対人能力を欠如した若者たちをふやしているということである。豊かな情操や対人関係能力を養うのではなく記憶力や従順さを追求する風潮は個人の洞察力や判断力を失わせることとなり、非行や犯罪への抑制力も減退させることになるだろう。



この論文は JR常磐線荒川沖駅で、8人が通り魔に刺され、1人が死亡、7人が重軽傷を負うという悲惨な事件につづいて、18歳少年の岡山駅ホームからの突き落とし殺人事件、都内マンションでの女性バラバラ殺人事件といった最近の凶悪事件を踏まえて述べられているのです。8日に起きた秋葉原通り魔殺人事件は7人が死亡、10人が重軽傷を負うというさらに大きな凶悪事件でしたが、この犯人の背景にも当てはまるご指摘でしょう。さすがは専門家と、読んで感服しました。


さて、こうした凶悪事件を少しでも減らすためにはどういう対策が必要なのでしょうか。

家庭ではなんといても「幼少時から甘やかして育てない」、「わが子に過度の期待をしない」ということでしょうか。

社会では「親族や地域社会などのサポートを強める」、「再チャレンジする機会をふやす」、「学校や家庭ではひ弱でない対人能力をもった若者たちを育てるために、豊かな情操や対人関係能力を養う教育をする」ということになるのでしょうか。


前政権では「再チャレンジ」という言葉をよく耳にしましたが、今はどうなっているのでしょうか。先の国会ではこのような大凶悪事件が起こっても、議員さんたちは一つも論議することなく、終わってしまいました。きっとこのようなことはときどき起こることで、どうしようもない天災みたいなもの、と本音では考えているからでしょう。


6月20日に放送されたNHKスペシャル「追跡・秋葉原通り魔事件」はいい番組でした。その一部がYou Tubeにアップされていましたので、ご覧ください。 (動画は残念ですが、「著作権法上の権利が侵害された」とのNHK による申し立てにより削除されてしまいました。)
×http://jp.youtube.com/watch?v=fSEc5rmkNmw
×http://jp.youtube.com/watch?v=mhH375oE80Y

加藤容疑者の2人の派遣仲間とネット上の知人である大学生が出て、その日常を語っています。派遣社員は手取りが14万円余りだったという給料明細が出ていました。いつ解雇通告されるかわからない不安を語っていました。やがて、解雇されて出て行く場面もあります。2人とも実直で、しっかりした話をする感じのいい若者です。ネットの大学生も思いやりのある好青年です。 


ところで、『文藝春秋』6月号に「ルポ 世界同時貧困」の日本編をジャーナリストの奥野修司さんが「小泉改革の犠牲者たち 希望全く持てない新・貧困層の悲痛な叫び」という題で書いています。

平均年収200万円以下の給与所得者が2000年の825万人から2006年は1,023万人にふえた、貯蓄残高ゼロ世帯が12.4%から22.9%にふえた、1989年から2005年までに非正規労働者は490万人増、正規従業員は450万人減、自殺原因は経済苦境など、こうした近年の大量貧困層の出現は「革命に匹敵する衝撃」と具体例や数字で示しています。

また、「死ねないから生きている」、「生きていても死んでいるのと同じ」、「10年働いたのに時給は10円しか上がらなかった」という日本の貧困層の人たちの声も書かれています。派遣労働者に払うお金は人件費ではなく、物品費として計上されるそうで、「これはもう奴隷市場」とも書いています。

「年収200万円を切って”貧困の連鎖”を繰り返しているうちに、やがて年齢とともに、バケツのそこが抜けたように奈落へ向かう日がやってくる」、このいい方、大げさでしょうか。


やっぱり、あの「派遣事業法」の改正、”改悪”だったのではないでしょうか。

(画像内容のアップ部分が派遣労働者のインタビュー中心なので、諸悪の根源は派遣と取られかねない、だからNHKはYou Tubeに削除を申しだてた。そうでなければいいのですが。マスコミも派遣社員を抱えているのでしょうか。派遣事業法のおこぼれに預かっているのなら、この問題、触れてはいけない”聖域”なのかもしれませんね。)



       (私も老いとともに、バケツのそこが抜けたように奈落へ向かう日がくるはずと、ときどきは思う ネズミ)


≪追記≫

道真さんのブログ「都市伝説的 雑学」に「鬱をマジメに考えた番組を見つけたので、紹介します。」というのがありました。「NHKスペシャル 急増・30代の“うつ”働き盛りに何が? 」です。昨年夏の放送とのことですが、これは著作権上の権利は侵害されていないのですね。

4ファイルに分かれています。

その1http://vision.ameba.jp/watch.do?movie=576901
その2http://vision.ameba.jp/watch.do?movie=576932
その3http://vision.ameba.jp/watch.do?movie=576962
その4http://vision.ameba.jp/watch.do?movie=576972


≪蛇足≫
ここに写っている人にはお気の毒ですが、私もあの場に居合わせたら、写真を取っていたかも知れません。所詮人間なんて、そんなものではないでしょうか。
http://jp.youtube.com/watch?v=SQkT6RYGj60&amp;feature=related(秋葉原通り魔事件/ヒューマニズムの限界)
また、殺人予告電話をする模倣犯も出ています。その7割が定職なしだそうです。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080624-00000957-san-soci


なお、辺見庸さんはこんなことを犯行の背景と考えておられます。
この世界では資本という「虚」が、道義や公正、誠実といった「実」の価値をせせら笑い、泥沼で踏みにじっている。そのような倒錯的世界にまっとうな情理などそだつわけがないだろう。なかんずく、実需がないのにただ金もうけのためにのみ各国の実体経済を食いあらし、結果、億万の貧者と破産者を生んでいる投機フアンドの暴力。それこそが世界規模の通り魔ではないのか。つるつるのサイバースペース(仮想空間)にすぎない虚のモニター画面が、人間の実像をしめだし、内面をも占拠してしまっている。実と虚が逆転してしまった世界では、正気と狂気の位相ももはや見わけがたい。秋葉原事件とはそうしたなかで起きるべくして起きた人間身体の”発作”ではなかったか。 (「夢野の歌と秋葉原事件/正気と狂気の判別困難」) 

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