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zoom RSS どうぞ、どうも、どういたしまして

<<   作成日時 : 2008/09/08 14:05   >>

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「どうぞ〜してください」という意味の中国語に「」という語があります。私はこれを「使役の“チィ〜ン”」と区別して、「pleaseの“チィ〜ン”」と呼ぶことにしています。

ところで、この「」という漢字、もともとはどんな意味があるのかと思って、藤堂明保さんの『漢字語源辞典』を引いてみたら、「青眼(くろめ)をもって(まともに、まじめに)相手を見る」が原義で、中国語の“チィ〜ン”という音は「すみきっている」というのが基本義であるとのことでした。

「青眼」と書いて「くろめ」と読ませるのもおもしろいのですが、その「青眼」を『広辞苑』で引いてみたら、「自分の好む人をよろこび迎える心があらわれた目つき」と説明されていました。その反対語は「周囲から白眼視される」の「白眼」だそうです。

中学校で「どうぞ」というのは「please」というのだと習い、高校で「I"m really pleased with your work.」(我對你的學習感到很滿意)という例文が出てきて、この単語は本来は「うれしい」とか「たのしい」とか「気に入っている」とかいう動詞なのだということもわかったのですが、どうして「うれしい」という動詞が「どうぞ」という間投詞、あるいは感嘆詞になったのかという思いはずっとつづいていました。でも、今回、中国語の例と思い合わせてみて、人間の考えること、感じることは洋の東西を問わず共通していると改めて気づき、納得しました。

英語や中国語の「どうぞ」にはきっと「あなたがなさる動作を私は歓迎していますよ」というメッセージが込められているに違いありません。

それにしても、日本語の「どうぞ」は「なにとぞ」、「どうか」、「よろしい」、「どうにか」という表現と言いかえができることはわかりますが、その原義、基本義は私にはやっぱり理解できていないのです。



ところで、「どうぞ」に似た日本語に「どうも」という言葉があります。

「感謝・祝福・謝罪・悔みなどの意で、口頭の挨拶に広く用いる語」と『広辞苑』には書いてありました。

誠にそのとおりで、この言葉は意味が漠然としているので、通訳者泣かせの言葉ベスト1だそうです。中国人がこの言葉の発音に似せて「多魔」と漢字表記をしているのを見て、うまい当て字だと感心したことがありましたが、この言葉も私にはその原義、基本義がすっきりしない日本語です。



また、こんなことがありました。

先日いろいろとお世話になった外人さんに、「Thank you for everything.」といってお礼を言ったら、「You’re welcome.」と答えられました。私はなんでこんなときに「welcome」といわれるのか、訳がわからなかったのでしたが、後で聞くと、中国人がこのようなときによく使う「不用客气」と同じ意味だと知り、なるほどと思いました。

日本語なら「どういたしまして」なのでしょうが、これもまた原義、基本義がうまく説明できない日本語なのです。


              (日本人を七十余年もやっているのに日本語がうまく説明できない ジャパニーズ・マウス)

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