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zoom RSS いかにも日本人的政党「自民党 七つの特質」

<<   作成日時 : 2009/09/30 08:23   >>

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 28日の自民党総裁選は予想通り谷垣禎一氏が新総裁に選ばれました。私もなんとなくですが、そうなるだろうと確信していました。谷垣氏なら自民党を再建できると思っていたわけではなく、またどのような実績があり、どのような人柄なのかもほとんど知らないのですが。

 ところで、前回でふれた産経の政治部記者阿比留瑠比氏の28日のブログに「総裁選で思い出した栗本慎一郎氏の自民党論」という記事があり、おもしろいと感じたので紹介します。http://abirur.iza.ne.jp/blog/entry/1243584/

 この栗本慎一郎という方、東京選挙区から最初は新進党で、次は自民党から衆議院選挙に立候補して、議員を2期つとめた学者、タレントです。「新人類」の命名者だそうで、私もお名前だけは知っていました。でも、読書家ではないので、その著作、タイトルで有名な『パンツをはいたサル』はもちろん、1冊も読んでいません。ただ最近、『週刊現代』に載ったという「パンツをはいた純一郎」というだれかがまとめた文をネットで読んだだけです。
 http://asyura.com/0510/senkyo17/msg/912.html(栗本慎一郎「パンツをはいた純一郎」)

 前書きがながくなってしまいましたが、阿比留氏の記事を読んでおもしろいと感じたのは、阿比留氏が紹介されている栗本氏の著書『自民党の研究 あなたも、この「集団」から逃れられない』(光文社、1999年10月刊)の内容のことです。

 
 まず、10年前に書かれたこの書の「まえがき」で、栗本氏は自民党をこのように分析しています。

      自民党は、まだ近代社会になる以前の日本の亡霊の姿でもあり、古き良き伝統の姿でもある。(中略)し
     かし、そうやって戦後日本を「支配」してきたこの政党は、ようやくにして、このままでは次の世紀を迎えられ
     るかどうかの瀬戸際に立つことになった。いいかえれば、ようやくにして、日本は古くからの集団重視主義
     によって生きていけるかどうかの瀬戸際に立つことになったのである。(中略)これから一度または二度の
     選挙を経て分裂していくことにも構造的根拠はある。そうして初めて、日本は社会システムとしての近代に
     はいっていくのである。》

 また、その序章「日本人は、自民党のなかに自分のいやな部分を見ている」ではこう書いているそうです。

      結局、われわれが自民党を嫌ったり批判したりしているとき、本当のところとして、われわれは日本人自
     身のいやなところを見せつけられているような気がするのである。自民党や党所属の政治家の言動にいら
     だつときは、そうありたくないと思いつつ、ついそうしてしまう自分の姿を重ねて、腹を立てているのだ。(中
     略)自民党の政治に浴びせられる批判のすべては、国民の誰もが内心、自分ではああはなりたくないけれ
     ども、ああなるかもしれないと思っているようなことについてである》

      自民党に見られる、権力に強く執着する姿勢への不満、資金の不透明さへの批判、官僚との癒着に対す
     る嫌悪、政治家個々人の私的欲望の追求への怒り、等々は、いずれも自分たちのまわりにもあること、もっ
     といえば機会さえあれば自分にも起こり得ることだと考えているからこそ生まれる感情である。日本的な社
     会に生きていれば、誰にでも起こり得ることなのだ。

 そして、「自民党の七つの特質」として、次のように7点を示します。

     一、 理念や政策を重視せず、人と集団にかかわることをとくに重視する。
     二、 人を評価し判断する基準は、その人がいかなる集団のいかなる位置に属するかによる。
     三、 世界でもっとも強力な官僚システムとの癒着ともたれあいがある。
     四、 社会主義をイデオロギーとしては強く拒否する。しかし、政策として積極的に取り入れる。
     五、 外交政策も、理念や政策より、どの国とどういう関係にあるか、誰が熱心な推進者であるかが重視
          される。
     六、 党内にある程度の数を持っていれば、大変な力が持てる
     七、 以上の六つに抵触さえしなければ、活動や発言は驚くほど自由である

 なるほど、河野太郎氏が長老の介入を暴露し、あしざまに内部を批判したのに、ぬくぬくとまた過ごせそうなのは、七の「以上の六つに抵触さえしなければ、活動や発言は驚くほど自由である」、そういう特質があるからですね。

 また、政治家と官僚との癒着とか、中央省庁間の力関係については、第3章「癒着か共生か――自民党と官僚の関係」として、このようなことが書かれています。

      一般に、土木・建設工事の契約を取ってくれた政治家へのリベートは、三パーセントと相場が決まってい
     る。100億円で三億円、1000億円で30億円だ。バブルのころ、いかに建設関係の族議員や、それを束
     ねる大物政治家が儲けたかはいうに及ばない。官僚はそれを知っていて、工事の契約を政治家の関係先
     に回す。これではまるで、政治家に直接金を渡すのと同じである。

      小沢一郎も、政治力をつけていく過程で、この種の研究会をたくさん主宰し、官僚と仲良くなった。小沢
     は、くせのある自分に合った官僚を見つけだして、田中角栄ゆずりの役人懐柔策をとった。将来の出世の
     約束、直接の小遣いというかたちである。また官僚のほうは、小沢をとおして自分たちの省や庁の権利を
     拡大しようとした。この点でも、小沢は、完全な自民党型の政治家である。

      ある省が、かなりの予算を必要とする計画を立てても、大蔵省の反対があればまったく前へ進みはしな
     い。どのくらい前に進まないかというと、各省庁は大蔵省と個別の交渉すらできないぐらいなのだ。他の官
     庁は、交渉すら申し入れられない。万が一、交渉が始まったとしても、大蔵が課長クラスを出すと、他の官
     庁では局長が出る。交渉の進展など望むべくもない。要するに、身分が違うのだ。

 
 第4章のタイトルは、なんと「自民党は、社会主義政党である」、だそうです。

      アメリカと国際社会では中心的につき合い、その論理の中で国際的な行動をとりながら、国内の政策で
     はアメリカの要求をいかに拒否するかに主眼を置くというのが、結局、1980年代の自民党のとってきた方
     針である。アメリカの要求を拒否するとは、要するに、官僚とそれに従属する各種団体の利害を護持すると
     いうことだ。官僚が持つ最良の利権と、それに保護される各種団体の既得権利の保護といえば、要するに
     「保護主義政策」であり「社会主義」である。(中略)自民党は、国会で社会党や共産党と対立しているとい
     う点においては、断固たる非社会主義政党であったが、政策的には完全に「穏健な社会主義」政党であっ
     た。

 なお、栗本氏も一時は期待して、近づいた小沢一郎については将来、「(政治勢力の)一方の核となっているだろう」としてこう述べているとのことです。

      これは歴史の必然でもなんでなくて、小沢という人物の持つ力が、本来の磁場をねじ曲げてしまうことに
     よって起こる「小沢ハプニング」とでもいうべき現象だ。そもそも、私が政界に入って以来、この小沢ハプニン
     グにはかなり巻き込まれて苦労したような気がする。それは、構造的必然でも何でもないから、他人から見
     て、いったい何が起こったかまったく分からないことが多かったろう。みんなが小沢のまわりに集まったり、
     逆に必死で逃げ回ったりした。こういうことは、政治的というより、文学的なことなのではなかろうか。私だけ
     ではない。元総理や元官房長官まで含めて、小沢の巻き起こした渦の中で身をもんだ。当事者たちはまこ
     とに大変だったのである。歴史的には単なるエピソードにすぎず、まったくいやになってしまうが、これはい
     わば「小沢一郎という現象」なのである。


 自民党はもっとも日本人的な国民政党ですから、あの安倍氏のような方から加藤氏のような方まで幅広い方がおられますが、穏健なニッポン人谷垣氏は「みんなでやろうぜ」と叫んで当選されたのですから、一の「理念や政策を重視せず、人と集団にかかわることをとくに重視する」ことに変化はないのではないでしょうか。

 確実に変わるのは三の「世界でもっとも強力な官僚システムとの癒着ともたれあいがある」だけでしょう。これはもう権力者ではないのですから、維持のしようもありません。

 
 でも、よくよくわが身を振り返って考えてみると、一の「理念」も安倍さんのようなものだと私は拒否したいし、人の評価も、「その人がいかなる集団のいかなる位置に属するか」によって判断しがちだし、社会主義もイデオロギーだから好きではないし、でも、政策がよければ「積極的に取り入れる」でかまわないし、五,六,七も私の生き方にきわめてよく似ているのです。

 要するに、三が変わって、うまい汁を独り占めする集団がズッコケタ、そのことが今度の総選挙で私が痛快に感じている理由ではないのか、この記事を読んで私はそう思ったのでした。


               (世の中理念なんかはいらない、まずは食べること、そして人情だ。演歌大好き ネズミ)

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コメント(1件)

内 容 ニックネーム/日時
いろいろ指摘される点は多々ありますが ”社会主義をイデオロギーとしては強く拒否する。しかし、政策として積極的に取り入れる。”まさにこれこそが自民半世紀に渡って独裁を維持出来た中核かと思います。都合が悪いときは銀行でもなんでも公的資金投入して准国営化という社会主義手法で生き延びる。しかし小泉というおバカな市場原理主義のごりごりの資本主義至上主義者が登場して社会主義手法を否定してアメリカ的資本主義化に失敗して選挙にも大敗し政権を追われた。新総裁を選出したといえ軸を失い、また新基軸を示しうる人材もなくただ旧態の政権党でなければ何の機能もしない利権コーディネーターの幻影だけが取り残された。そして何より大敗の元凶たる小泉の罪状を厳格に総括し謝罪できなければただ傷を引きずり(彼らに引きずってる認識はないが)再度立ち上がる事も許されることも無い。リーマンショックの世界経済の破綻を口実に美味く自分達の悪行も罪も隠して来たが、政権交代で詰れで明かされて来た物の比でない糾弾に耐える事は出来ない。自覚が欠如しているから国会の民主攻撃に献金などのスキャンダルを据える愚かしき無定見なのである。
言わ猿
2009/09/30 22:21

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