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zoom RSS 小沢一郎と国連、そして憲法――小沢語録5

<<   作成日時 : 2010/02/26 16:01   >>

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 小沢一郎はわが国が「普通の国」になるためには、外交・安全面では、「専守防衛戦略」の自衛隊を「平和創出戦略」に転換するなどして、「国連中心主義」を実践することだと主張します。内政面では、官僚が決定権者であるかのようなこれまでの官僚主導政治を打破して、政治家主導の政治を行うことだとしています。

 これまでの日本の外交・安全保障は国連中心主義を掲げてはいるものの、現実には日米同盟べったりで、例えば小泉純一郎の「日米関係さえよければすべてがうまくいく」といった対米一体化路線が主流となって続いています。
しかし、小沢は93年の『日本改造計画』の中で、欧米諸国の責任ある人々の間で語られている「ノ−ブレス・オブリージュ」、つまり、「富や権力を有する者には社会的な義務がともなう」という言葉を引用して、以下のように改革への思いを述べます。

      日本も経済的には超大国といわれるまでに成長した。世界が平和で安定していたからこそ、貿易によって
     富を蓄積できたのである。いまや、平和維持のために積極的に貢献しなければならない義務がある。核兵
     器を持たず、武器輸出もしていない日本は、独自の立場から世界平和に貢献できる、と私は思う。(P114)

 このような考えから小沢は「独自の立場から世界平和に貢献できる」国連中心主義への実践を提唱します。

 それでは、これまでの日米同盟オンリーの対米一体化路線から国連中心主義へと方向転換する際に、小沢は日本とアメリカとの関係をどのように考えていたのでしょうか。

      ……。アメリカは、地域紛争の処理に積極的にかかわっていく決意をしているだけでなく、国連の集団安
     全保障機能の強化、すなわち国連主導の新世界秩序システムの構築を考えていることは間違いない。

      このように、日本の周辺国が日本の単独行動を警戒し、最も関係を重視すべきアメリカが世界の平和維
     持に積極的であることを考慮すれば、日本がとるべき平和貢献の道は自ずから明らかになる。

      アメリカとの共同歩調こそ、日本が世界平和に貢献するための最も合理的かつ効率的な方策なのであ
     る。(P116)

 ここで注目すべきは、93年の『改造計画』時の小沢のアメリカへの認識は「アメリカは、……国連主導の新世界秩序システムの構築を考えていることは間違いない」というものでした。しかし、イラク攻撃などでのその後のアメリカの行動は小沢が期待していたものとは違っていたことです。

 対米協調路線と表裏一体であった小沢の国連中心主義は、最近はアメリカとの間に一定の距離を置く言動へと変化しています。

 この点について、小沢側近の平野貞夫は「それは国際情勢の主軸が日米関係から米中関係優位に変わったことや、イラク戦争での米国の単独行動主義を目の当たりにした衝撃が大きかった」(魚住論文A)と説明しています。
でも、「専守防衛戦略」の自衛隊を「平和創出戦略」に転換するという国連中心主義の基本的な考え方に変化はなく、これが現民主党の外交安全方針の基本でしょう。
画像

                  小沢一郎の『日本改造計画』は、1994年7月、その英文版『Blueprint for a New Japan』が
                     出版されています。国際基督教大学で日本語を三年間学んだことのあるアメリカ上院議員
                     ジョン・ロックフェラー4世が、その序文を書いています。また推薦文はキッシンジャー元国務
                     長官、ベーカー国務長官、ヒルズ元米通商代表部、アマコスト元駐日米国大使が寄せてい
                     るそうです。
                      なお、これまでのアメリカの実権力を握っているのはディビッド・ロックフェラーで、
                     ディビッドとジョンは跡目争いをしている中だそうです。昨年の金融危機ではディビッドの
                     シティグループが大打撃を受け、ジョンのゴールドマン・サックス社は勝利の酒に酔う立場に
                     立っているとのことです。Googleの「小沢とロックフェラー」などご覧ください。



 それでは「専守防衛戦略」の自衛隊を国連待機軍として国連に提供し、海外の現地で活動させるする「平和創出戦略」に再編成するとはどういうことでしょうか。

      自衛隊が「専守防衛戦略」から「平和創出戦略」に転換するためには、単に既存の自衛隊員を再編するだ
     けでは不十分である。これまでの任務になかったいろいろな役割を果たすのだから、純軍事以外の分野で
     活動できる人材など、多様な人材が必要となる。たとえば世界各地で平和活動を行ううえで、さまざまな言
     語を身につけた人材は欠かせない。民生でも、道路、橋、通信施設などの復旧、建設だけでなく、産業、流
     通など経済システムをはじめ、国民生活に関連する諸分野についての幅広い知識が必要になる。まさに
     「戦力の核心は人なり」という考えで知識、技能ともに優秀な人材を確保しなければならない。(P121)


 ところで、国連待機軍として国連に提供しする「平和創出戦略」に再編成するためには、わが国の憲法を変える必要はないのでしょうか。

 その点について小沢は「現在の憲法でも、自衛隊を国連待機軍として国連に提供し、現地で活動させることができると考えている。その活動はすべて国連の方針に基づき、国連の指揮で行われるのであり、国権の発動ではないからだ」(P122)と述べています。

 さらに、憲法の解釈をめぐる不毛な論争を終わらせるために、二つの案を提案しています。

 一つは、憲法第九条に新たに「第三項」を付け加える案、もう一つは憲法はそのままにして平和安全保障基本法といった法律をつくるという案です。(P123〜126)


 さて、わが国の安全保障の対策をとる上で、もっともコストのかからないベストなものはアメリカの核の傘に入っていることだという考え方があります。プラグマティズムの小沢はその傘から抜け出すべきだとはいっていません。民主党もでしょう。ただこれからの世界の平和は国連主導の新世界秩序システムを構築することで維持されるべきで、そのためには日本はできる限りの協力をしようということです。

 私は小沢の国連中心主義が正論だと思っていますが、まだ勉強不足ですから、本当にその方向が正しいのかどうかは、しばし保留にしておきます。

 最後に、小沢が行き着いた結論「国連中心主義の実践」と日本国憲法について、参考までに魚住昭の「小沢一郎・思考解剖」Dの中の佐藤優の説明を引用しておきます。http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20100208-00000301-gtwo-pol

   (解釈改憲について)
   佐藤 (湾岸戦争時法制局長官の答弁によって海外派遣ができず、恐らくはそのことが原点となって民主党は今国会から長官発言を禁止した
      こと
)私は非常に結構なことだと思う。これによって憲法改正が遠のいたからです。
   佐藤 そう。全部、解釈改憲でいく。ただし解釈改憲だと限界があるんです。これで勇ましい憲法ができない。
      象徴天皇も崩れない。集団的自衛権を解禁すれば日本のやりたいことは全部できるから九条を変える必
      要もない。

   (国連中心主義について)
   佐藤 小沢さんの言う国連とは、東西冷戦構造が終わった後の列強による権力の分配機関としての国連なん
      です。小沢さんの発想は元外交官で日本国際フォーラムの主宰者・伊藤憲一さんが言ってる積極的平和
      主義と同じですよ。どういう内容かというと、いま世界で違法行為を犯すのは、国際テロリストと、それを支
      持するならず者国家、それから国家として体を成していない破産国家。この三つだけなんです。この連中
      に対しては国連のアンブレラで警察活動を行う。これは軍隊を使っていても警察活動だから戦争ではな
      い。ならず者を放置しておいていいという話にはならないから国際法上の、交戦国の捕虜の地位を与える
      必要はないんです。そういうならず者に対してアメリカが行う、国連のアンブレラの下での制裁措置に、積
      極的に加わっていくことを積極的平和主義と定義しているんです。
       これからの平和主義は自衛隊を動かすことで実現される。これが積極的平和主義だ。悪事には関わら
      ないという消極的平和主義の時代は終わった。戦争はこの世の中からなくなった。あるのは国連による警
      察活動だけという考えです。小沢さんの考えもこれです。


      

≪追記≫ 日本国際フォーラム主宰者の伊藤憲一さんについては私も産経の「正論」なんかでその論文を読み、なるほどと思って、以前にこのブログに紹介記事を書いていました。
http://lailai-hanyu.at.webry.info/200902/article_19.html(日本はアメリカの属国、それででいいのか)


      (私が若かったら「平和創出戦略」に再編成された自衛隊に真っ先に応募するか  臆病 弱虫 ネズミ)


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