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zoom RSS 小沢一郎と「五つの自由」――小沢語録7

<<   作成日時 : 2010/04/25 20:45   >>

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 1993年に出版された小沢一郎の『日本改造計画』は3部からなっていて、第一部が「いま、政治の改革を」、第二部が「普通の国になれ」、第三部が「五つの自由を」です。

 私のこのブログ「小沢語録」の6までは第一部と第二部に関することで、まだ第三部についてはまったく触れていません。そこで今回は「第三部 五つの自由を」の内容をについて、紹介することにします。

 この第三部は七つの項からなり、その最初の項は「ジャパニーズ・ドリーム」というタイトルです。そのあとに五つの自由である「東京からの自由」、「企業からの自由」、「長時間労働からの自由」、「年齢と性別からの自由」、「規制からの自由」という項がつづき、最後は「真の自由の確立」という項でシメられています。


 最初の「ジャパニーズ・ドリーム」、そこにはわが国の悪い点といい点とがまず指摘され、その悪い点を直す方策が「五つの自由」だということが述べられています。その書き出しは以下のとおりです。

     「日本人のようになりたくない」                                 
     ある著名なアメリカ人の識者が「私たちは日本人のようになりたくない」といっていた。そのときはムッときた
     が、冷静に考えてみれば、当たり前だと思う。

 上記の文章につづけて、小沢一郎はわが国の悪い点を以下のように指摘しています。

     この言葉は、見せかけの高い所得とあまりにもかけ離れた貧弱な生活状態、たとえば劣悪な住宅、貧弱な
    社会資本、高い物価、長い労働時間、厳しい受験競争などへの痛烈な批判である。「日本人は兎小屋に住
    んでいる働くことしか能のない国民である」と、あるヨーロッパのジャーナリストがいった。これも同じ意味で使
    われているはずだ。

     アジアの奇跡と呼ばれた日本の高度経済成長。そのお陰で日本は、戦後の荒廃からわずか五十年で、世
    界有数の高所得を誇る経済大国になった。しかし、経済大国の国民であるはずの日本人は、豊かな生活を
    送っているという実感がない。

     首都圏では、普通の人が一生働いても、自力で家を購入することは夢のまた夢になってしまった。若い人
    の多くは、家を建てることを諦めてしまっている。どんなに頑張ってもまともな家一つ購入できない社会はやは
    りおかしい。りっぱな家を建てることは、働く者にとって一つの目標であり事業だ。それを最初から諦めざるを
    得ないという。残酷なことだ。これはまさしく政治の責任である。

     国民の生活レベルで見たとき、日本は本当に世界有数の所得水準の国だろうか。(p180

 「国民の生活が第一」、これは昨年の総選挙で大勝利をおさめて政権交代を実現させた民主党のスローガンです。このスローガンは選挙目当ての単なる格好付けかと思っていましたが、小沢一郎という政治家は自民党を離党して新党を立ち上げたときから、こうした理念をずっと抱いていたのではないのか、小沢一郎にとってはごく自然のこれしかないスルーガンなのではないのか、17年前に書かれた『日本改造計画』のこの部分を読んで、私はそう思ったのでした。

 この「ジャパニーズ・ドリーム」の項の小項目の第一は「日本人のようになりたくない」でしたが、第二は「きしみ始めた日本型社会」です。その中で、日本社会のいいところを以下のように4点挙げています。

     第一に、何よりも世界に誇れることは、安全で安定した社会であることだ。……。

     第二は、所得、資産の格差が小さいことだ。最近でこそ地価の高騰で土地を持つ者と持たざる者の格差が
    目につくようになった。しかし日常的な所得、つまり給与所得などで見るかぎり、日本は世界で有数の平等な
    国である。……。

     第三に、日本は豊かな自然に恵まれている。日本列島の七割弱が山林で山紫水明の地である。気候は温
    暖で自然の猛威は少ない。この四季折々の恵まれた自然に包まれて、日本人は縄文以降、優れた伝統文
    化を育み、人情味豊かな社会を形成してきた。

     第四に、日本はよくも悪くもきわめて居心地のよい、ぬるま湯的社会である。日本の消費者は王様のように
    扱われ、社会生活で直面するさまざまなリスクに対しては二重三重に保護されている。過剰に保護的である
    といわれる政府の規制や介入も、このような観点から見るなら社会の安定に大いに貢献している。安定的な
    社会の素晴らしさは、それがまったく失われた海外の悲劇的な例を見ることではじめて思い知らされるのであ
    る。(p183

 17年前に日本という国のよさをこのようにとらえていた小沢一郎が、政権与党の幹事長という権力を握って、いま外国人参政権を導入しようとしたり、ジェンダーフリーの社会に変えようとしたりしているみたいで、そういうことをはじめとして、小沢という権力者がこのすばらしい日本国を破滅に導こうとしている、かなりの人たちがそのように攻撃し、目の敵にしています。

 17年前の小沢と今の小沢とはまったく別の存在になってしまっているのでしょうか。それともこの書に書かれていることはきれいごとで、実際に行おうとしていることは正反対のことなのでしょうか。小沢がやろうとしていることはこのすばらしい日本国を不安全で不安定にし、所得、資産の格差をより大きくし、豊かな自然を破壊し、居心地の悪い、油断もすきもない社会にしようと画策しているということでしょうか。


 そのことの是非はさておき、この書の先を読み進めていくと、この「ジャパニーズ・ドリーム」の最後の項は「個人を大切にする社会を」となっており、小沢一郎の目指す社会のより具体的なイメージが書かれています。

 その中で小沢は「日本の個々人の生活を縛っているさまざまなしがらみを取り除き、個人を解放すること」を現在の政治に課せられた重要な課題として、あの五つの自由、「東京からの自由」、「企業からの自由」、「長時間労働からの自由」、「年齢と性別からの自由」、「規制からの自由」を掲げているのです。

 その「五つの自由」をまとめている個所がありましたので、抜き出しておきます。

     第一の、東京からの自由とは、われわれの生活を大きく歪めている一極集中、都市の過密と地方の過疎を
    解消し、よりバランスのとれた国土計画を展開することである。

     第二の企業からの自由とは、企業を中心に回っている経済制度を是正し、国民一人ひとりがより自由に仕
    事に打つ込み、個人の生活を大切にできるようにすることである。

     第三の働きすぎからの自由とは、労働時間の短縮を積極的に行い、国民がよりゆったりと仕事ができるよう
    にするだけでなく、より積極的な人生設計をすることができるようにすることである。さらには子供たちの歪ん
    だ受験競争を是正することでもある。

     第四の年齢と性別からの自由とは、社会の高齢化の中で、高齢者も積極的に社会に参加できるようにする
    ことである。同時に、女性がもっと積極的にかつ多用な形で社会にかかわることができるような社会にする。

     第五の規制からの自由とは、社会の実情に合わなくなったおかしな規制を撤廃し、国民や企業がより自由
    に活動できるようにする。(p185)

 世の中には与謝野さんとか平沼さんとか、枡添えさんとか、あるいはその他の政治家たちのそれぞれの政治理念を書きとめた書物が多く出ているのでしょうが、安倍さんや麻生さんの書は書店でパラパラとめくったみたことはありますが、その程度で、これまでに一冊もこのような政治家の書を私は読んだことがありません。

 たまたまBOOK OFFの特価コーナーで小沢一郎のこの書を見つけ、なにかにつけていま話題の政治家なのですから、一体全体どんなお考えのお持ちの方かと、値段もわずかに105円でしたので、購入して、すこしずつ読んでいるわけです。

 読後の感想はというと、一言でいうなら、「私も賛同できるまともなこと、先見性のある、先進的なことを、意外とおっしゃっているなあ」ということです。


 なにしろ17年前の書であり、所詮はだれかプロの物書きの協力を得て書かれた文章なのかも知れません。ですから、実際の小沢一郎がいまもなお本心からこの書に書かれているようなことを実現しようと、そういう強い意志をお持ちなのかどうか、いまの私の立場ではよくわかりません。ただ多くの言動がいまなおそのようなお考えで行動されているふうにも感じられるのです。

 本当はマスコミがいまの小沢一郎とこの書の小沢一郎との落差を比較・検証する記事を書いていただくとありがたいのだがと思っています。でも、新聞等ではこうしたことはさっぱりわからず、自分で読んでみて、その考えをまとめてみて、17年前の小沢はこんなことを考え、こんなことを政治理念にしていたのかと、私なりに理解ができたのです。

 小沢一郎という政治家は17年前の、この書に書いている新党立ち上げ時の初志をいまも忘れず、この政治理念の実現に向けて一途に努力している、それが本当の小沢一郎像だと断言・証明できますことを、私にとっては本当はどうでもいいことなのですが、やっぱり願っています。


        (”メンドリ鳴くと国亡ぶ”―だから私は一度も女性候補者に投票したことはない。でも、魅力的な女性候補者  
          が目の前に現れたら、今度はどうする。 自分の行動にまだ予測がつかない 
民主党寄り 無党派ネズミ) 
        (大久保秘書、石川議員、細野副幹事長、そして小沢ガールズ、やっていることは別にして、見かけはいずれ
          も’いい男’’いい女’だ。あの顔なのに(だから?)面食いなのか。 
人は見かけが9割を信じている 単細胞 ネズミ)

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 2007年11月の小沢一郎大連立騒ぎのときに、代表辞任を申し出た小沢氏を民主党はどうしてよってたかって引き止めるのか、当時の私は疑問に思っていました。 ...続きを見る
日日是生日
2010/08/25 15:12

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内 容 ニックネーム/日時
「日本改造計画」は98年絶版後、2006年に復刻する際に、改訂のうわさもあったのですが、93年刊のまま復刻しました。書かれてあるバックボーンは今も昔も変わりないという小沢からのメッセージと思います。ブログ本文で書かれておられる「落差」は、政治的な環境変化に対応した現象面のものではないかと思います。
tesa
2010/05/25 12:35

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