東電の広告費はランキング18位、電力会社10社だとどうなる
昨日は切込み隊長さんの「「狼と安心料」…原発関連の安全神話とメディアコントロール」という記事を紹介しました。http://kirik.tea-nifty.com/
その記事の前半は、「嘘をつく子供」(いわゆる「狼少年」)の話でした。その中で「狼が来る」、「狼が来る」と騒ぎ立てる「嘘をつく子供」を「反原発知識人」にたとえていました。
それはまあいいとして、現実に起こっているわが国原発事故の現実では、「狼は来ない」、「狼は来ない」とさかんに喧伝していたいわゆる「原子力ムラのお偉さん方」がいるはずです。
私が違和感を覚えたのは、切込み隊長殿の寓話にはそうした「村長さん」の登場をまったくスルーしていることです。「(嘘をつく子供が)何度も騒ぎを起こしているうちに、村人は嘘をつく子供の言葉をあまり信じなくなった。……村人の大事な羊は喰われてしまう。」と、あたかも嘘をつく子供が最大の責任者かのような話にもていっている、私はそう思ったのです。(どちらの物言いが詭弁なのか、元記事でご確認ください。)
切込み隊長殿の記事の後半は「メディアコントロール」についてでした。そこを読んでの感想を、私は昨日のブログに以下のように記しました。
このあと、切込み隊長殿、メディアコントロールにふれ、電力会社のスポンサー広告のマスコミへの影響をいく
らか認めつつも、「東電の報道を押し留めるような圧力をかけ放題だとは思わない」と弁護し、「(マスコミが十
分チェックできなかったのは)調査報道の限界の部分があるのだろう」と擁護しています。
そしてあくまでもその「切込み」の刃先は、古くからの反原発派と私のような「脊髄反射のような論説」を書く
”俄か”反原発・脱原発論者に向かっています。
ところで、その切込み隊長殿の記事の中に川端幹人氏(元『噂の真相』副編集長)による電力会社の広告についての発言がリンクされていました。今日覗いてみると、川端氏のtwiterでの4月12日から17日までのつぶやきをまとめたものです。要約・整理しようと思ったのでしたが、何百、何千億という数字は私の手に余り、時間もないので、ぜひ川端氏のつぶやきをご覧ください。ただ、そのつぶやきの中から、最後の三つのつぶやきを、これからのことでもありますから、念のため貼付しておきます。
まあ、自称テレビ局員と遊ぶのはこれくらいにしてまじめな話を。このままいくと、東京電力の現体制は解体
されマスコミにとってもタブーではなくなるだろう。でも、電事連や他の電力会社は体制がかわらないまま生き
残る。下手をしたら関電や中部電力の幹部が東電に入り込んでくる可能性もある。2011-04-17 08:42:37
電事連と他の電力会社が変わらなかったら、また、同じように広告がばらまかれて、メディアもまた同じことを
繰り返す。で、安全性が軽視され、重大欠陥や不祥事が隠ぺいされる。「WiLL」なんて大震災の後に出た最
新号に中部電力の広告をドーンとのっけてたからね。2011-04-17 09:00:15
だから、最低でも電力会社の情報公開は絶対やらないとダメ。とにかく電力会社の金はブラックボックスにな
っている部分が多いから、その使途を徹底的に明るみに出す。そうすればいろんなことが一気に変わる。原
発をめぐる政治家や闇社会との関係も断たれるし、メディアへのばらまきもできなくなる。2011-04-17 09:23:50
http://togetter.com/li/124748
川端氏の記事内容本当だろうかと思って、東電の企業広告費をネットで当たってみたら、河野太郎氏が今年の4月5日の記事で、以下のように書いていました。
2007年の企業広告費のランキングをいただいた。
それによると
1 トヨタ 1054億円
2 松下電器 831億円
3 ホンダ 816億円
以下、ソフトバンクモバイル、花王、イトーヨーカ堂、日産、KDDI、シャープ、サントリー、キリン、ベネッセ、
イオン、キャノン、資生堂、アサヒビール、高島屋、そして
18 東京電力 286億円
東京電力が供給量では電力全体の約三分の一なので、広告費を3倍すると電力会社全体で858億円、そ
れに電事連などを足すと1000億円になると推計する研究者もいる。この推計があたっていれば、トヨタに並
ぶ金額だ。
それはともかく地域独占している電力会社がこんな量の広告宣伝を必要としているのだろうか。
http://www.taro.org/2011/04/post-973.php(無計画停電、続けま...)
また、4月11日の「福島みずほのどきどき日記」に、この方が反原発知識人のお一人なのでしょう、田中優という方へのインタビュー記事があり、そのなかで田中さんは以下のように語っていたと書かれていました。
田中優さん 「原発に頼らない社会へ」 (2011年4月11日収録)
http://mizuhofukushima.blog83.fc2.com/blog-entry-1791.html(福島みずほのどきどき日記)
あともう一つとりあげてほしいと思うのは、実は広告宣伝費を調べてみたんですけれど、広告宣伝費の中で
東京電力は非常に大きな位置にいて、しかも日本には10社の電力会社があり、さらに電気事業連合会があ
り、さらに政府広報があり、ついでにいうとACの中の非常に重要な位置を占めているのが電力会社になって
いる。すなわち、メディアにとって一番重要な広告宣伝費の最大の支出をしているのが、トヨタ自動車を抜い
て実は電力会社なんです。
そのおかげで、電力会社の不都合になる情報がメディアに流れない。しかも日本の場合には、そのメディア
が、テレビ・ラジオ・新聞が同じ系列で動くという形になっている。これは諸外国では情報を制限してしまうこと
になるので禁止されていたりするんですが、日本では、テレビ・ラジオ・新聞が同じ資本でやっていて、そこの
最大の広告宣伝費のオーナーになっているのが電力会社、そのおかげでまともな情報が流れないわけで
す。日本の中でメディアを握ってしまっているのは、はっきり言ってエネルギー、しかも電力会社という構図に
なってしまっている。これを変えていかなければいけないけれども、今回はその一つの大きなチャンスになりう
る。
例えば、その中で最大の東京電力の推進している広告宣伝費を、政府が立て替え払いしたんだから、その
分は返済にまわせ、と言うことは当然の権利です。そういう形で電力会社がメディアを抑えてしまうということ
を禁止していくことができる、だとしたらメディアが初めて日本で民主的な情報を流せるようになる、そういうこ
とをすべきだという風に思っているんですね。
(私のところにも原子力エネルギーの必要性を書いてくれという依頼があったら、
記事1本1、000円でいいから書いてあげるのに。
でも、こんなこと書いたから、間もなく閉鎖か 保身のためそろそろ撤退を考えるネズミ)
その記事の前半は、「嘘をつく子供」(いわゆる「狼少年」)の話でした。その中で「狼が来る」、「狼が来る」と騒ぎ立てる「嘘をつく子供」を「反原発知識人」にたとえていました。
それはまあいいとして、現実に起こっているわが国原発事故の現実では、「狼は来ない」、「狼は来ない」とさかんに喧伝していたいわゆる「原子力ムラのお偉さん方」がいるはずです。
私が違和感を覚えたのは、切込み隊長殿の寓話にはそうした「村長さん」の登場をまったくスルーしていることです。「(嘘をつく子供が)何度も騒ぎを起こしているうちに、村人は嘘をつく子供の言葉をあまり信じなくなった。……村人の大事な羊は喰われてしまう。」と、あたかも嘘をつく子供が最大の責任者かのような話にもていっている、私はそう思ったのです。(どちらの物言いが詭弁なのか、元記事でご確認ください。)
切込み隊長殿の記事の後半は「メディアコントロール」についてでした。そこを読んでの感想を、私は昨日のブログに以下のように記しました。
このあと、切込み隊長殿、メディアコントロールにふれ、電力会社のスポンサー広告のマスコミへの影響をいく
らか認めつつも、「東電の報道を押し留めるような圧力をかけ放題だとは思わない」と弁護し、「(マスコミが十
分チェックできなかったのは)調査報道の限界の部分があるのだろう」と擁護しています。
そしてあくまでもその「切込み」の刃先は、古くからの反原発派と私のような「脊髄反射のような論説」を書く
”俄か”反原発・脱原発論者に向かっています。
ところで、その切込み隊長殿の記事の中に川端幹人氏(元『噂の真相』副編集長)による電力会社の広告についての発言がリンクされていました。今日覗いてみると、川端氏のtwiterでの4月12日から17日までのつぶやきをまとめたものです。要約・整理しようと思ったのでしたが、何百、何千億という数字は私の手に余り、時間もないので、ぜひ川端氏のつぶやきをご覧ください。ただ、そのつぶやきの中から、最後の三つのつぶやきを、これからのことでもありますから、念のため貼付しておきます。
まあ、自称テレビ局員と遊ぶのはこれくらいにしてまじめな話を。このままいくと、東京電力の現体制は解体
されマスコミにとってもタブーではなくなるだろう。でも、電事連や他の電力会社は体制がかわらないまま生き
残る。下手をしたら関電や中部電力の幹部が東電に入り込んでくる可能性もある。2011-04-17 08:42:37
電事連と他の電力会社が変わらなかったら、また、同じように広告がばらまかれて、メディアもまた同じことを
繰り返す。で、安全性が軽視され、重大欠陥や不祥事が隠ぺいされる。「WiLL」なんて大震災の後に出た最
新号に中部電力の広告をドーンとのっけてたからね。2011-04-17 09:00:15
だから、最低でも電力会社の情報公開は絶対やらないとダメ。とにかく電力会社の金はブラックボックスにな
っている部分が多いから、その使途を徹底的に明るみに出す。そうすればいろんなことが一気に変わる。原
発をめぐる政治家や闇社会との関係も断たれるし、メディアへのばらまきもできなくなる。2011-04-17 09:23:50
http://togetter.com/li/124748
川端氏の記事内容本当だろうかと思って、東電の企業広告費をネットで当たってみたら、河野太郎氏が今年の4月5日の記事で、以下のように書いていました。
2007年の企業広告費のランキングをいただいた。
それによると
1 トヨタ 1054億円
2 松下電器 831億円
3 ホンダ 816億円
以下、ソフトバンクモバイル、花王、イトーヨーカ堂、日産、KDDI、シャープ、サントリー、キリン、ベネッセ、
イオン、キャノン、資生堂、アサヒビール、高島屋、そして
18 東京電力 286億円
東京電力が供給量では電力全体の約三分の一なので、広告費を3倍すると電力会社全体で858億円、そ
れに電事連などを足すと1000億円になると推計する研究者もいる。この推計があたっていれば、トヨタに並
ぶ金額だ。
それはともかく地域独占している電力会社がこんな量の広告宣伝を必要としているのだろうか。
http://www.taro.org/2011/04/post-973.php(無計画停電、続けま...)
また、4月11日の「福島みずほのどきどき日記」に、この方が反原発知識人のお一人なのでしょう、田中優という方へのインタビュー記事があり、そのなかで田中さんは以下のように語っていたと書かれていました。
田中優さん 「原発に頼らない社会へ」 (2011年4月11日収録)
http://mizuhofukushima.blog83.fc2.com/blog-entry-1791.html(福島みずほのどきどき日記)
あともう一つとりあげてほしいと思うのは、実は広告宣伝費を調べてみたんですけれど、広告宣伝費の中で
東京電力は非常に大きな位置にいて、しかも日本には10社の電力会社があり、さらに電気事業連合会があ
り、さらに政府広報があり、ついでにいうとACの中の非常に重要な位置を占めているのが電力会社になって
いる。すなわち、メディアにとって一番重要な広告宣伝費の最大の支出をしているのが、トヨタ自動車を抜い
て実は電力会社なんです。
そのおかげで、電力会社の不都合になる情報がメディアに流れない。しかも日本の場合には、そのメディア
が、テレビ・ラジオ・新聞が同じ系列で動くという形になっている。これは諸外国では情報を制限してしまうこと
になるので禁止されていたりするんですが、日本では、テレビ・ラジオ・新聞が同じ資本でやっていて、そこの
最大の広告宣伝費のオーナーになっているのが電力会社、そのおかげでまともな情報が流れないわけで
す。日本の中でメディアを握ってしまっているのは、はっきり言ってエネルギー、しかも電力会社という構図に
なってしまっている。これを変えていかなければいけないけれども、今回はその一つの大きなチャンスになりう
る。
例えば、その中で最大の東京電力の推進している広告宣伝費を、政府が立て替え払いしたんだから、その
分は返済にまわせ、と言うことは当然の権利です。そういう形で電力会社がメディアを抑えてしまうということ
を禁止していくことができる、だとしたらメディアが初めて日本で民主的な情報を流せるようになる、そういうこ
とをすべきだという風に思っているんですね。
(私のところにも原子力エネルギーの必要性を書いてくれという依頼があったら、
記事1本1、000円でいいから書いてあげるのに。
でも、こんなこと書いたから、間もなく閉鎖か 保身のためそろそろ撤退を考えるネズミ)
この記事へのコメント
今の政治状況では、なんだか絶望的です。