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zoom RSS いっしょに踊った「資本」の神様

<<   作成日時 : 2009/01/02 19:35   >>

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 「100年に一度起こるかどうかの深刻な金融危機だ」という、今吹き荒れている金融危機の枕詞ともなっている“名言”を吐いたのは、「連邦準備制度理事会」FRBの前議長、アラン・グリーンスパンという人物なんだそうです。
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 私はこれまで経済関係の書を読んだことはほとんどありませんが、今年は元旦からエコノミスト水野和夫氏の『金融大崩壊 「アメリカ金融帝国」の終焉』(NHK出版)を読んでいます。そこでわかったことを整理してみました。


 グリーンスパンは04年から加熱していった住宅バブルの時期にFRB議長を務めていました。FRBというのはアメリカ中央銀行制度の最高意思決定機関だそうで、議長は金融をコントロールできる最高の責任者です。そのような大きな責任を持つ地位にいた人の口から、 「100年に一度」などという言葉が発せられたので、エコノミストの水野和夫氏は「彼だけにはこの発言してほしくなかった、というのが率直な私の気持ちです」(37p)と感想を述べています。

 グリーンスパンは「住宅価格が上がっているときに、それを抑制するようなことは民主主義の社会ではできない」(66p 『混乱の時代』)という考えをもっていたので、あの住宅バブルをも放置してしまったそうです。

 「FRB議長は、みんながバブルに乗っているときには、それにブレーキをかける。誰から指図されず、効力のあるブレーキをかけられるからこそ、その地位が与えられているのだと思います。それができなかったことを民主主義のせいにしてしまうと、何のためのFRB議長が存在するのかわかりません」(66p)と、水野さんは彼を批判しています。

 1951年から19年間 FRB議長を務めたウィリアム・マーティンは「FRBの役割は、みんながパーティで盛り上がっているところで、さあお開きですよと言って、パンチボールをさっさと下げることだ」と言っていたとのことです。

 でも、グリーンスパンはそうはしませんでした。「それは、新自由主義の考え方による市場原理と結びついているからだと思います」と、そうしなかった理由を分析しています。ここは私にはちょっとわかりにくいところなのですが、以下のように解釈しました。


 水野氏によると16世紀に誕生した資本主義では、資本と国家と国民の3者の利害が、根本のところで一致していたそうです。資本が経済活動を活発に行えば、政府はその分税収が増えます。政府はその税収を使って「大きな政府」として福祉政策を拡充し、国民はより幸せに暮らすことができるようになる、そういうシステムでした。

 ところがサムプライムローン(低所得者向けの高金利住宅ローン)問題は、資本が国家と国民に対して離縁状を叩きつけた象徴的な出来事なんだそうです。資本側がとった行動は資本と国家と国民の三位一体の関係に亀裂を入れるものだったのです。

 「100年に一度の危機」は国家と国民にとっての危機であって、証券化商品で資産を膨らませた資本家にとっては、今回の損失を差し引いても余りあるほどの利益を上げており、必ずしも危機ではない、水野氏はそんなふうに解説しています。400年続いた資本と国家と国民の三位一体の関係が崩れたあとの資本というのは、これまでは各国家の中心産業でしたが、これからは「資本=株主」になる、私は水野氏の解説をそのように理解しました。ひょっとするとトヨタもソニーももう私たち日本人の企業ではない、そういうことなのでしょうか。経済のグローバル化というのはそういうことだったのですね。まさに”無国籍”企業の出現ですね。

 グリーンスパン前議長はそういう時代へと地殻変動していた時期の議長でしたから、多数の株主の声を無視して「お開きのパンチボールをさっさと下げる」、そんなことはできなかった、私はそのように理解しました。


 水野氏はグリーンスパンには「100年に一度の危機」と言われたくないと何度か繰り返して言っていますが、それは「彼が在任中、資本の側に立って行動してきたとしか思えないから」(42p)で、「彼はむしろ、バブルを止めなかったからこそ、投資家たちからは神様に祭り上げられた、資本家と一緒に踊ったから資本の神様だった」(68p)といっています。


                  (バブルでの金融資産は1京円だとか、一体ゼロがいくつつくのか、それも知らない、
                   「宵越しの銭は持たない」 偽江戸っ子ネズミ)



           

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