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zoom RSS 竹中平蔵のオウンゴール

<<   作成日時 : 2009/01/04 14:54   >>

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 エコノミスト水野和夫氏の『金融大崩壊 「アメリカ金融帝国」の終焉』(NHK出版)を読んでいたら、第3章に「日本の「オウンゴール」」という節(97P)がありました。

 日本は1990年代に入ってからの金利低下で、デフレに対応できなくなり、また、バブル崩壊の後遺症とその教訓から、当時の世界の金融資産の拡大競争には消極的になり、マネーサプライズ(通貨供給率)を増やす、従来の貯蓄モデルを踏襲するようになったのだそうです。

 当時のわが国の内閣小泉政権は新自由主義を採用します。その理念の下での「小さな政府」を目指す政策の中心に立つていたのは竹中平蔵経済財政・金融担当相でした。竹中氏は当時盛んにマネーサプライズを増やせとの発言をしていたそうです。

 この発言について水野氏はこんな感想を記しています。

「アメリカがとった新自由主義の核心部分、すなわち、貨幣はマネーサプライズで増やすのではなく、金融市場で株式時価総額や証券化商品で増やす時代に入ったのだということが、日本に伝わっていなかったとさえ思います。」


 新自由主義と金融資産の拡大はセットであるはずなのに、日銀もまたマネーサプライズを増やすためにずっと実質ゼロ金利の政策と量的金融緩和政策とをとります。その結果はどうなったのでしょうか。

「……、それはほとんど効果をあげませんでした。むしろ喜んだのは海外の投資家たちで、日本では金利がゼロで資金が調達できるということで、日本から海外にお金が流れて出ていきます。いわゆる「円キャリートレード」です。このお金はアメリカが金融資産を増やすために使われました。」(98p)


 この事実に対して水野氏はこう感想を述べています。

「日本のとった政策は「オウンゴール」と呼ぶことができると思います。日本経済が不況を脱して前へ進もうと思って、ボールを蹴り出したつもりが、自陣のゴールにボールを入れてしまい、相手に得点を与えてしまう……。それが実質ゼロ金利政策と量的金融緩和政策だったのです。」(98p)

 なんとも腹立たしいではありませんか。私の“虎の子”の利子が上がらないのは我慢するとしても、私の数百万円の“虎の子”も含めてうまく利用して、しこたま儲けたヤツがいたのかと思うと、怒り心頭です。 


 水野さんはさらにこんなことも口にします。

「……、本当に新自由主義の政策をとるのなら、日本はこの時期、金融資産をどう増やすかを考えるべきでした。95〜07までの日本の世界名目GDシェア12.7%並みに、世界金融資産増加額1京円についても日本がシェアを確保していたら、95年当時、1180兆円だった日本の金融資産は、1200兆円増加して、2400兆円になったいたと考えてもおかしくありません。それによって、日本は「輸出株式会社+金融帝国」となることができたのです。」(99p)


 水野氏の事実の提示・分析はまことに正鵠を得ていると信用するのですが、しかし、人柄がいいからでしょうか、それともお立場からでしょうか、それともそこから先の原因追及は読者にゆだねるおつもりだからでしょうか、その断罪の矛先はとっても甘い、私はそう感じるのでした。


 規制緩和と自己責任論の「小さな政府」を目指す新自由主義のもとで、その政策遂行の中心に立っていたのは竹中平蔵元経済財政・金融大臣でしょう。ならば、日本チームの中でオウンゴールのボールを蹴った“犯人”は明らかに竹中平蔵ではないのでしょうか。


 水野氏は「アメリカがとった新自由主義の核心部分、すなわち、……金融市場で株式時価総額や証券化商品で増やす時代に入ったのだということが、日本に伝わっていなかったとさえ思います」と書いてあります。しかし、疑ぐりぶかくて、性悪の私は「伝わっていなかったのではなく、伝わっていないふりをして、アメリカの投資家を儲けさせたに違いない。きっとそうだ」、今はそう勝手に信じているのです。


             (取らぬタヌキの皮算用というが、逃がした魚1200,000,000,000円は大きいと悔しがる、
              大金にはもともと無縁なネズミ)

≪追記≫
竹中さんの写真でも貼り付けようかと「竹中平蔵」でアップしたら「竹中平蔵 売国奴」というブログや動画がたくさんあるので、びっくりしました。本当に売国奴なのでしょうか。
http://jp.youtube.com/watch?v=HwFCoORrCP8(「竹中平蔵 売国奴」動画)

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
証券化商品に欧米の金融機関みたいに手をだしていたら今回の金融恐慌で莫大な損害を出したのではないでしょうか。
派遣
2009/01/04 18:41
そういわれればそうですね。水野さんの本、第3章まで読んで、その章の最後の方に「オウンゴール」の話があり、もしそうなら日本の金融政策は誤っていたのかなあと思い、紹介したのでした。
水野さんは日本がどういう形で金融資産の拡大競争に参加することを想定して、そのようにいっているのかは今の段階では私にはわかりません。
このように私は素人なのでなんとも回答できないのですが、そういう見方があるということで読んでいただき、他の人の意見を聞いたり、引き続き多くの専門家の見方など勉強して、本当に正しい見方はなにかわかったら、この文の修正なり、補強なりをしたいと考えています。
damao
2009/01/04 21:52

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