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zoom RSS 日本のナショナル・アイデンティティ(やまとごころ)(1)

<<   作成日時 : 2010/01/24 12:05   >>

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 このところ阿川弘之翁の『大人の見識』(新潮新書・2007年)から「やまとだましい」(和魂・大和魂)とは何かを考えているのですが、偶然読み始めた内田樹氏の『日本辺境論』(新潮新書・2009年)に似た記述がありましたから、紹介しておきます。

 まず阿川翁なんですが、日本人の欠点として「軽躁」(落ち着きがなく、軽々しく騒ぐこと)ということを挙げていました。戦国武将武田信玄の「武将の陥りやすき三大失観」の中の三つ目の失観、「軽躁なるものを勇豪とみること」というのが、時代が現世に近づくにつれて「失観」とも思わなくなっていると嘆いていました。

 その一例として、ますます「一億総白痴化」に熱中しているテレビ番組を挙げています。

     静かに何かを語りかけるような質実な番組、本当に少ない。NHKをふくめてどのチャンネルに切り替えてみ
    ても、ワァワァ、ゲラゲラ、人気タレントの馬鹿笑いばかり聞こえてくる。自分たちだけで面白がって大声あげ
    て騒いでいるように思えるんだが、何ですかね、あの下品さは。 (P4)


 さて、内田樹氏の『日本辺境論』なのですが、その目次の小見出しの一つに「日本人はきょろきょろする」(P20)というのがありました。

 そういうことを指摘している先達として梅棹忠夫、丸山眞男の論文を挙げ、さらに川島武宜の『日本人の法意識』(岩波新書・1967年)の一文を引用します。

     「日本社会の基本原理・基本精神は『理性から出発し、互いに独立した平等な個人』のそれではなく、『全
    体の中に和を以て存在し、……一体を保つところの大和』であり、それは『渾然たる一如一体の和』だ、という
    のである。……。言いかえれば、「和の精神」ないし原理で成りたっている社会集団の構成員たる個人は、相
    互のあいだに区別が明らかでなく、ぼんやり漠然と一体をなしてとけあっている、ということであり、まさにこれ
    は、私がこれまで説明してきた社会関係の不確定性・非固定性の意識にほかならないのであって、わが伝
    統の社会意識ないし法意識の正確な理解であり表現である、と言うことができる。 (P172)

 さらに内田氏は戦後制定された調停制度を普及させるために、委員たちに配られた「調停かるた」を引用して、以下のように書いています。

     「かるた」に曰く。「論よりは義理と人情の話し合い」、「権利義務などと四角にもの言わず」、「なまなかの法
    律論はぬきにして」、「白黒を決めぬところに味がある」。一読してびっくりしたのは、これが日々学内外のさま
    ざまなトラブルに遭遇して、その調停にかかわるときに、私の口を衝いて出る言葉そのままだからです。川島
    はこのようなマインドは「和を以て貴しと為す」と日本最初の憲法に掲げられてから変わっていないと書いてい
    ます。たしかに変わっていない。それは確信を込めて申し上げられます。 (P28)


 さて、最近のかしがましい、ウンザリする「政治とカネ」の問題、「調停かるた」にあるように「白黒を決めぬところに味がある」ということで、「和を以て貴しと為す」という「やまとごころ」で、「まあまあ、こちらにもお立場というものがあるわけでから、どうです、ここは一つナカとって……」(これも内田氏の書からの引用)と、小沢さんと検察、「痛み分け」ということで、いい加減手打ちをしたらいかがなものでしょうか。


            (「論よりは義理と人情の話し合い」、「権利義務などと四角にもの言わず」を日々実践している
             いつもこころおだやかな やまとの国のネズミ)

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「国民生活第一」、これこそが「やまとごころ」(和魂)だ
 前回ブログで『老子』の言葉を挙げて、「今はだれもが読もうとしないからこそ、読んでおくのも希少価値があると考え、ときどきは世間で耳にする老子の語句を集めておいて、その語句を窓口に暇に飽かせて(『老子』を)読んでみよう」と書きました。その語句は以下の20語です。 ...続きを見る
日日是生日
2010/08/16 09:31

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